ぬるま湯に浸かる日常

あらゆることに中途半端なならず者が、好きなように好きな話をするブログ

四畳半神話大系』という、森見登美彦の小説がある。私がそれをはじめて読んだのは、高校3年生の秋口頃だった気がする。当時アニメ化もされて話題になっていたから、本当になにげなく手に取ったのだった。

書評がしたいわけではないのでかなりざっくりと書くけれど、これは京大生の「私(主人公)」と腐れ縁の「小津」のパラレルワールドストーリー(連続短編集)である。「私」が入学後にどんなサークルに入ろうとも、その先には必ず「小津」がいるのだった。

その物語を私は、「結局、どんな選択をしようとも、出会うべく人とはなにをやっていても出会える」と受け取った。腐れ縁だと嘆きつつも、「私」と「小津」の奇妙な友情に勇気付けられたのだった。

 

数ヶ月後、自分の身に取捨選択を迫られるできごとがあった。「私」とまったく同じ、大学入学後の部活・サークル選びだ。私にはやりたいことや入りたい団体がたくさんあった。特に部活は兼部が原則禁止だったため、かなり頭を悩ませた。そこで思い出したのが、冒頭の『四畳半』。

「出会うべく人とはなにをやっていても出会える」。だったら、もういちばん入りたかった部活に身を置こう。そう思って、某研究部のドアを叩いたのだった。選ぶことの不安を、あの物語が軽減してくれたのだった。

その他にも学生時代は取捨選択だらけだったけれど、あの頃自分で決めたことに間違いはなにひとつなかった。社会人になって、時々当時の友達や先輩後輩、その他たくさんの経験の中で出会った人たちと、久しぶりに会うたび思う。そう思えることは、とてもしあわせだ。なにより、現在の自分の選択にも自信が持てる。

 

なにが言いたいのかって、今日久しぶりに某研の先輩に会ったのだけど、本当に本当にたのしかったんだ。女子会ならではの話や、仕事の話ができて、この上なく癒された。

締めのフルーツサンドもおいしかった。バナナで味がごまかされていない、という話には共感の嵐で笑い転げてしまった。

 

平成最後の夏がそろそろ終わる。